「君がいるから」

作/演出 みうらもとお

出演 浅野佳砂音、千島清、新妻嗣二

作家(演出家)のみうらです。

「この三人(撮影中の私も含め)、使いづらいんだよね!色々な意味で!」
「とりあえず読んでみようか。」
と、台本を4ページ渡される。

さあ!稽古開始!!!

えっ、犬なの・・・

ワン!ワン!

えっ、たぬき!

犬だってば。

ちょっと、立ってみる。

こんな様子で、稽古が始まりました。



4月15日(木)
今日台本が4ページ追加されました。
合計13ページになりました。


 う〜ん、おもしろいかも!!!

4月13日(火)
おやおや!今日の稽古はカラフルなお部屋ですね。

そうです。ここは、池袋の、とあるカラオケ屋さん。
なんと、午後のこの時間帯、一人30分10円の室料なのです。
ウッヒョー!!!

でも、飲み物は一人一品以上。
でもねぇ〜ッ、安いよね!


稽古場がない我々にとっては、大きな声の
出せる場所は、ありがたや、ありがたや。

この日は、台本が2ページ追加されました。合計9ページになりました。
今日渡された台本は、本編に入っていきました。

えっ!場所はお寺の境内なの。

「ねえ、ねえ、続きはどうなる
 の?」
「う〜ん、う〜ん、ちょっと待っ
 てね。」
「早くして!!!」

ここは、豊島区にある、某集会室。台本もずいぶん出てきたし、やる気は満々。「さあ、本読みを」と、その気になると、ついつい大声が出てしまう。しかし、隣の部屋との壁は薄く、隣の部屋の声が聞こえて来るということは、こちらの声も聞こえているということで、「う〜ん、思い切ってできないよね〜!」ということで、またまた、カラオケへ・・・!
ま〜た来ちゃったよね〜! しょうがないよね〜! うん!!!

4月20日(火)

4月30日(金

「えっ!ここは何処!」
そうです。ここは、池袋の東京芸術劇場のリハーサル室。やっと来ました。思い切り声が出せて動けるところ。ちょっとお金はかかりますが・・・。

なあにその格好。体操してるの?
うん?そういえば犬が出てくるっ
て云ってたよね。
それか〜!?

←この三人が出演者。
なに、それ!
教授に、ドンブリに、ラッキー!
えッ?それ、な〜にッ!

台本は、32ページまで出てきました。
「早く最後までいって!」
「まあまあ、この後は、こうなってこうなってこうなって」
「じゃあさァ、最後は、ぐぅっとこう・・・。」
「それは、俺が考えるから。」

えッ!歌も入るの!?
ド〜、ミ〜、ソ〜、ド〜〜♪

只今、試演会を計画中。
それも、「ほめ殺しの会」がいいなぁ!と
みうら氏が言っています。

5月18日(火)

台本、只今48ページまできました。作家が云うには、あとふた山。でも、なかなか前に進めなくて、困っています。
「時間あげるから、とにかく最後まで書いちゃってよ!」
「バカヤロ〜ッ!時間があるからって書けるもんでもないんだよ〜っ!」

困ってるんですボク!でも、めちゃくちゃおもしろいのができるはず!いや、できるの!!!

役者の人物(?)像も、だんだん固まってきました。・・・・・けど誰これ!

今日は、稽古もそこそこに解散。

5月19日(水)

な〜にこれ、誰もいないじゃん。どうしたの!?お〜い、みんな〜っ、どこ行っちゃったの?

なに!作家が熱だして寝込んだ!!!

「徹夜でパソコンに向かってたら、熱がでてきちゃって、今日はズル休みさせてください。ごめんね〜〜っ!!!

「・・・・・・・・」

5月23日(日)

さあ、今日はいい天気!台本、最後まで“−完−”できているかなぁ。
東京芸術劇場、リハーサル室、1時稽古開始。・・・・・。
「・・・・・こないねぇ、みうらさん。電話してみようか。」
「もしもし、どんな感じかな!?」
   「ごめん!もうちょっと待って!あとで、行くから!!」

「!!!!!休憩!!!!!」

・・・・・という訳で、地下のリハーサル室にいてもしょうがないので、地上に出てきました。今日は芸劇(東京芸術劇場の略)の前、西口公園では、豊島区の姉妹都市「一関」の物産展が開催されています。吸い込まれるように入っていきました。
「おいおい、佳砂音ちゃん!しっかり財布にぎって、なに買うの!?」

さあ、2時です。もうそろそろ来るかなぁ。そろそろ来るかなぁ。くるかなぁ?
「・・・・・電話してみようか。」
  「もしもし、どんな感じかな!?
   「ごめん!だめだ!もうちょっと時間ちょうだい!!!」
   「きょうは???・・・・・???」
  
「ごめんね〜〜っ!!!」

「しょうがない!稽古でもするか!!!」

といって、3人だけで稽古開始。
「あぁっ!三人で稽古をしてる写真を撮ると、どうしても2人しか写らないんだよねぇ!」
5時。稽古終了。

5月25日(火)

10時、稽古開始。
「みうらさん、来ないねぇ・・・・・。あっ、メールだ!!!」
「まだ、書き上がらん。とにかく、1時には、必ず行きます。もうちょっと待っててね。陳謝。」
「・・・・・もう。」

出来たてホヤホヤの、出会いのフォーラムのチラシ。

さて、1時です。来た来た来た、みうらさん登場!

なに、その顔。できたの?最後まで?えっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!
できなかったの・・・・・。まあ、しょうがないよ。できるとこまでしか、できないんだから。
さあ、本読み、本読み。

「でっひゃ〜っ!こりゃおもしろい!いける!!!いいよこれ!!!うん!!!」

と、云うことで、最後まであとひと山。

※「おまけ」ちょっとだけよ!

ラッキー  しっ・・・
教  授  どうした?んん!囲まれてるぞ。
ドンブリ  おいらたち、食われちゃうの?
教  授  奴らはそのつもりだ。  −つづく−

6月12日(土)

お待たせいたしました!先週、台本が出来上がりました。今週に入り、歌も出来上がりました。
7月24日の初演に向け、役者・スタッフ一同、こんなんなって、こんなんなって、こんなんなって、稽古をしています。分からないよね〜。

それでは、ここで、「君がいるから」に出演の雑種犬「教授」による、あらすじを

ここはあるお寺の境内。わたしはこのお寺の本堂の縁の下にすんでいる犬である。雑種である。頭が良さそ〜に見えることから「教授」と呼ばれている。このお寺にはもう一人、というかもう一匹、犬のようなタヌキのような・・・とにかくもう一匹、へんなのがわたしといっしょに住んでいる。そいつの名前は「ドンブリ」。なぜドンブリかというと、ん〜ん、見るからにドンブリって感じなんだなこれが、うん。で、あるとき、このお寺に雑種の「ラッキー」というヤツがやってきた。ラッキーは自分を置いて引っ越して行ってしまったオッチョコチョイのご主人様の新しい家を探しているという。わたしもドンブリも「こいつ、捨てられちゃったんだよなぁ・・・」と思ったんだが「いっしょに探してくれよ〜」というラッキーの頼みを断り切れず、彼といっしょに行くことになっちまった。あ〜あ、最初からいやな予感がしてたんだよな〜。案の定、カラスに襲われたり、生乾きのコンクリートにはまって身動きがとれなくなったり、そのうえ凶暴な野犬の群れに襲われたり・・・散々な目にあっちまった。でも、三匹で力を合せてなんとか困難を乗り越えたんだ。そしてやっと探し当てたラッキーのご主人様の家。でも、そこにはもうラッキーの居場所はなかったんだ。
おい、ドンブリ、ラッキー、おまえたちも何か一言・・・・・・あ、おまえら、なんでわたしのドッグフードまで食っちまうんだよ。こら、やめなさいってば、こら・・・。

というわけで三匹は忙しそうなので作者から一言

芝居で大事なのは「ハラハラ」「ドキドキ」「ワクワク」だと思っています。「ハラハラ」「ドキドキ」「ワクワク」で、心にいっぱい汗をかいて欲しい。そして、健康な心の持ち主になって欲しい。そんな思いでこの物語をつくりました。蛇足ですが、この芝居を作るにあたり「CAN青芸」の千島氏から言われました。「テーマは友情。うん、友情だな」・・・簡単に言いやがって・・・。そんなわけで、今回のテーマは思いっきり「友情」です。って言い切っちゃって大丈夫か俺?(みうらもとお


と、いうことで
「友情」だそうです。


※それでは、「おまけ」その2

ラッキー  クンクン、ご主人様の匂いがする。
教  授  間違いないか。よ〜し、行こう。
ラッキー  あああ、待て。なんか、もう、気が、すんじゃったから、帰ろう。
ドンブリ  だめだよ。ここまで来たんだから、行かなきゃだめだよ。ラッキーが捨てられ
      ちゃったのか、そうじゃないのか、行ってみなきゃわかんないじゃないか。だ
      から、だから行かなきゃだめだよ。
ラッキー  そりゃそうだけど、そうだけど、でも、俺、捨てられたんだってわかったら、
      俺、ひとりぼっちで、どうしていいかわかんねえよ。
ドンブリ  ひとりぼっちじゃないよ。
教  授  そうだ。おまえはひとりじゃない。ドンブリもいるし私もいる。なんなら、俺
      様だっているぞ。
ラッキー  ・・・そうか、そうだな。わかった。じゃ、いってみるわ。

どうも、ありがとうございました。


7月24日。とうとうその日がやって来ました。
3匹の犬(?)のヒューワンドラマ。
はじまりはじまり・・・・・・

演出家みうら氏が言っていました。芝居で大事なのは『ハラハラ』『ドキドキ』『ワクワク』だと。この日、役者達はお客さんの前で『ハラハラ』『ドキドキ』『ワクワク』で、たくさん汗をかきました。

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